Japanese
English
症例報告
原発性胆汁性肝硬変の経過中に発症した乾癬の2例
Two cases of psoriasis with primary biliary cirrhosis
糸井 沙織
1
,
梅垣 知子
1
,
吉良 正浩
1
,
片山 一朗
1
Saori ITOI
1
,
Noriko UMEGAKI
1
,
Masahiro KIRA
1
,
Ichiro KATAYAMA
1
1大阪大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology Integrated Medicine,Osaka University Graduate School of Medicine,Suita,Japan
キーワード:
原発性胆汁性肝硬変
,
尋常性乾癬
,
Th17
Keyword:
原発性胆汁性肝硬変
,
尋常性乾癬
,
Th17
pp.399-404
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103305
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要約 症例1:61歳,男性.2008年原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)と診断された.同年12月より関節痛が出現し,プレドニゾロン10mg/日を開始したが難治なため2009年1月当科を受診した.全身に小豆大までの角化性紅斑を認め,HLA-A2,A24,B39,B51,DR-8が陽性であった.ナローバンドUVB療法とシクロスポリン内服(2mg/kg/日)で加療した.症例2:74歳,女性.2000年12月にPBCと診断され,プレドニゾロン40mg/日を内服開始,漸減中に体幹,上肢に紅斑が出現し,2009年10月に当科を受診した.体幹,四肢に小豆大の角化性紅斑を認め,HLA-A2,A24,B55,B60,Cw1,Cw3,DR-4,DR-8が陽性であった.ナローバンドUVB療法で加療した.本邦ではPBCと乾癬の合併は自験例を含め9例の報告がある.PBCは自己免疫学的機序が発症に関わると考えられ,Th1優位であること,Th17細胞の関与などが乾癬と共通しており,自験例でもFoxp3,IL-17陽性細胞の増加を認めた.PBCの病態が乾癬の発症に何らかの影響を与えた可能性も考えられた.
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