Japanese
English
症例報告
Fusarium verticillioidesによる爪真菌症の1例
A case of onychomycosis caused by Fusarium verticillioides
山口 礼門
1
,
安澤 数史
1
,
藤井 俊樹
1
,
望月 隆
1
,
村長 保憲
2
,
亀井 克彦
2
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Toshiki FUJII
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Yasunori MURAOSA
2
,
Katsuhiko KAMEI
2
1金沢医科大学皮膚科
2千葉大学真菌医学研究センター
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
2Medical Mycology Research Center of Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
Fusarium
,
非白癬性爪真菌症
,
爪真菌症
Keyword:
Fusarium
,
非白癬性爪真菌症
,
爪真菌症
pp.541-546
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205785
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要約 64歳,女性.初診の3年前に左2指爪基部の色調変化を自覚した.近医で爪白癬と診断され,抗真菌薬内服および外用による治療を受けたが改善しなかった.初診時,左2指爪甲は肥厚し,黒色—灰白色に混濁し,後爪部の腫脹・発赤を伴っていた.KOH直接検鏡法で菌糸が陽性,爪甲の真菌培養では2回の培養で同様の形態の菌が分離された.分離菌のコロニーは表面羊毛状で淡ピンク,裏面は黄白色調を示し,検鏡でFusarium属に特徴的な鎌状の大分生子を認めた.分離菌はリボソームRNA遺伝子のITS領域およびEF1-alpha遺伝子の塩基配列よりFusarium verticillioidesと同定した.現在ルリコナゾール爪外用液で治療し,爪囲炎は消失し,爪甲は平坦化,色調変化も改善傾向にある.自験例のような爪囲炎を伴う手爪1か所の病変は,爪白癬として非典型的である.このような症例ではFusarium属をはじめとする非白癬性爪真菌症を疑う必要がある.
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