Japanese
English
症例報告
エフィナコナゾール爪外用液が有効であったFusarium proliferatumによる爪真菌症の1例
A case of onychomycosis caused by Fusarium proliferatum successfully treated with topical efinaconazole
小野 弘登
1
,
山口 礼門
1
,
二ツ谷 剛俊
1
,
安澤 数史
1
,
山田 壮亮
2
,
望月 隆
1
,
清水 晶
1
Hiroto ONO
1
,
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Takatoshi HUTATSUYA
1
,
Kazushi ANZAWA
1
,
Sohsuke YAMADA
2
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Akira SHIMIZU
1
1金沢医科大学皮膚科学
2金沢医科大学病理診断科
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
2Department of Pathology and Laboratory Medicine, Kanazawa Medical University, Ishikawa, Japan
キーワード:
Fusarium
,
非白癬性爪真菌症
,
爪真菌症
,
マイコトキシン
,
エフィナコナゾール
Keyword:
Fusarium
,
非白癬性爪真菌症
,
爪真菌症
,
マイコトキシン
,
エフィナコナゾール
pp.69-75
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207188
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要約 61歳,女性.初診5か月前に右1指爪先端の白濁を自覚した.徐々に白濁部が拡大し,初診2か月前に白濁部の圧痛と爪甲下の淡い発赤,および爪甲剝離が生じた.疼痛増悪のため近医皮膚科を受診し,グロムス腫瘍の疑いで,当院を紹介された.初診時,右1指の爪甲は全体に軽度混濁し,正中部の白濁が強い部分に圧痛を伴っていた.爪囲に発赤や腫脹はみられなかった.KOH直接鏡検法では短く不規則な太さの分枝した透明な菌糸がみられ,非白癬菌性爪真菌症を疑った.病理組織では爪甲の爪床側の角質中に菌要素がみられ,真菌培養では表面は白色綿毛状で中央は紫色,裏面は褐色調の集落が発育した.Translation elongation factor 1α遺伝子の塩基配列より,Fusarium proliferatumと同定した.エフィナコナゾール爪外用液で治療し,爪甲混濁と疼痛は改善傾向にある.過去報告例からもエフィナコナゾールは本症に有効と思われた.疼痛や炎症を伴う爪真菌症では,原因菌として白癬菌以外の真菌を考える必要がある.
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