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Rinsho Hifuka Volume 79, Issue 1 （January 2025）

臨床皮膚科 79巻1号（2025年1月発行）

Japanese English

症例報告

急性リンパ性白血病患者に発症した播種性Fusarium感染症の1例 A case of disseminated Fusarium infection in a patient with acute lymphocytic leukemia 中根理沙 ¹ , 吉岡はるな ¹ Risa NAKANE ¹ , Haruna YOSHIOKA ¹ ¹JCHO九州病院皮膚科 ¹Division of Dermatology, Japan Community Health Care Organization Kyushu Hospital, Kitakyushu, Japan キーワード：播種性Fusarium感染症 , disseminated Fusarium infection , 急性リンパ性白血病 , Fusarium solani complex Keyword: 播種性Fusarium感染症 , disseminated Fusarium infection , 急性リンパ性白血病 , Fusarium solani complex pp.67-73

発行日 2025年1月1日 Published Date 2025/1/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010067

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要約　73歳，男性．血液内科にて急性リンパ球性白血病のため寛解導入療法が開始された．経過中に発熱あり血液培養で真菌血症が疑われ，抗真菌薬が投与された．抗真菌薬投与開始後14日目に顔面，四肢に暗紅色の皮疹が出現し，精査のため当科を紹介された．皮膚生検にて真皮深層に膿瘍形成と真菌成分を認めた．組織培養はサブロー培地およびPDA培地で白色絨毛状のコロニー形成を認め，スライドカルチャーで鎌型〜三日月型の大分生子，楕円型の小分生子を認めた．質量分析装置による解析でFusarium solani complexと同定された．播種性Fusarium感染症と診断し，L-AMBを増量，ボリコナゾールを追加したが，入院53日目に永眠された．免疫不全状態にある血液疾患患者において深在性真菌症が疑われ，暗紅色の皮下結節を認めた場合，播種性Fusarium感染症を鑑別に挙げ，積極的に皮膚生検や組織培養を行うことが重要であると考える．