Japanese
English
今月の症例
円形脱毛斑が先行した塩酸ミノサイクリンによる薬剤誘発性ループスの1例
A case of minocycline-induced lupus erythematosus preceded by alopecia areata
白山 純実
1
,
辻 真紀
1
,
今中 愛子
1
,
八幡 陽子
1
Yoshimi SHIROYAMA
1
,
Maki TSUJI
1
,
Aiko IMANAKA
1
,
Yoko YAHATA
1
1国家公務員共済組合連合会大手前病院皮膚科
1Division of Dermatology,Otemae Hospital,Osaka,Japan
キーワード:
ミノサイクリン
,
円形脱毛斑
,
薬剤誘発性ループス
,
DILE
,
関節痛
Keyword:
ミノサイクリン
,
円形脱毛斑
,
薬剤誘発性ループス
,
DILE
,
関節痛
pp.1022-1026
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103114
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要約 47歳,男性.2002年頃から顔面の痤瘡に対し,ミノサイクリン100mg/日を断続的に内服していた.2008年1月頃から後頭部の脱毛斑と肩・頸部・膝関節に疼痛,12月頃から発熱が出現していたが自然に軽快した.2009年1月から頭部の脱毛斑が急速に拡大し40℃までの発熱が連日続くようになったため入院した.白血球減少,抗核抗体320倍,尿蛋白を認め,ミノサイクリンによる薬剤誘発性ループス(drug-induced lupus erythematosus:DILE)を疑い内服を中止したところ,症状は速やかに消失した.その後,自己判断で再度内服したところ,翌日の夜から関節痛と40℃の発熱を認めた.以上の経過よりミノサイクリンによるDILEと診断した.内服中止後,脱毛斑は徐々に軽快し,新生もなかったことから,円形脱毛斑もDILEの一症状と考えた.
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