Japanese
English
症例報告
皮膚生検にて診断しえた血管内B細胞リンパ腫の1例
A case of intravascular large B-cell lymphoma
船井 尚子
1
,
小粥 雅明
1
,
杉山 崇史
2
,
柳生 友浩
3
,
橋爪 秀夫
4
Naoko FUNAI
1
,
Masaaki OGAI
1
,
Takashi SUGIYAMA
2
,
Tomohiro YAGYUU
3
,
Hideo HASHIZUME
4
1聖隷浜松病院皮膚科
2聖隷浜松病院神経内科
3聖隷浜松病院血液内科
4浜松医科大学皮膚科
1Division of Dermatology,Seirei Hamamatsu Hospital,Hamamatsu,Japan
2Division of Neurology,Seirei Hamamatsu Hospital,Hamamatsu,Japan
3Division of Hematology,Seirei Hamamatsu Hospital,Hamamatsu,Japan
4Department of Dermatology,Hamamatsu University School of Medicine,Hamamatsu,Japan
キーワード:
血管内B細胞リンパ腫
,
皮膚生検
Keyword:
血管内B細胞リンパ腫
,
皮膚生検
pp.887-890
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103075
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要約 70歳,男性.2009年4月以降,排尿障害と計3回の比較的速やかに回復する両下肢の脱力が出現し,その約1年3か月後からは認知機能の低下や性格の変化がみられるようになった.入院時,LDH 963IU/l,sIL2R 1,520U/mlと高値であり,頭部MRIでは血管支配領域に一致しない多発性虚血性病変を疑わせる所見がみられた.無症状の胸部の淡い紅斑から皮膚生検を施行し,病理組織像で真皮深層の小血管内にLCA陽性,L26陽性,CD79a陽性,CD3陰性の大型の異型細胞を認め,血管内B細胞リンパ腫と診断した.近年,本疾患の診断方法の1つとして,無疹部からのランダム皮膚生検が注目されている.しかし,皮疹部生検での腫瘍細胞陽性率はほぼ100%であり,皮疹の有無を注意深く観察して,生検部位を決定するべきと考えた.
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