Japanese
English
症例報告
皮膚生検で診断を確定しえた神経核内封入体病の1例
A case of neuronal intranuclear inclusion disease diagnosed by skin biopsy
山根 万里子
1
,
片山 智恵子
1
,
西村 広健
2
,
林 宏明
1
,
久徳 弓子
3
,
藤本 亘
1
,
青山 裕美
1
Mariko YAMANE
1
,
Chieko KATAYAMA
1
,
Hirotake NISHIMURA
2
,
Hiroaki HAYASHI
1
,
Yumiko KUTOKU
3
,
Wataru FUJIMOTO
1
,
Yumi AOYAMA
1
1川崎医科大学皮膚科学
2川崎医科大学病理学
3川崎医科大学神経内科学
1Department of Dermatology, Kawasaki, Medical School, Kurashiki, Japan
2Department of Pathology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
3Department of Neurology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
神経核内封入体病
,
認知症
,
皮膚生検
,
ユビキチン
,
p62
Keyword:
神経核内封入体病
,
認知症
,
皮膚生検
,
ユビキチン
,
p62
pp.366-370
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205687
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要約 神経核内封入体病(neuronal intranuclear inclusion disease:NIID)は病理学的にエオジン好性の核内封入体を中枢および末梢神経系の神経細胞およびグリア細胞,諸臓器の細胞の核内に認める神経変性疾患である.この核内封入体はユビキチン染色で陽性を示す.本症はこれまで剖検により診断されていたが,近年皮膚生検で核内封入体を検出することで診断が可能となった.それに伴いNIIDと診断される症例が増加しているが,皮膚科領域からの報告は少ない.われわれはNIIDを疑われた症例において大腿からの皮膚生検で核内封入体を検出し確定診断をすることができた.自験例において汗腺,線維芽細胞,脂肪細胞における核内封入体の陽性率を比較した結果は,汗腺が観察面積あたりの細胞密度が最も多く観察対象として優れていた.NIIDの診断で皮膚生検を行う際は,脂肪組織とともに汗腺を得るために,汗腺の多い部位から組織を採取する必要があると考えた.
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