Japanese
English
症例報告
右腋窩に生じたアポクリン腺癌の1例
A case of apocrine carcinoma arising in the right axilla
古舘 禎騎
1
,
芳賀 貴裕
1
,
大谷 朋之
1
,
涌澤 千尋
1
,
相場 節也
1
Sadanori FURUDATE
1
,
Takahiro HAGA
1
,
Tomoyuki OTANI
1
,
Chihiro WAKUSAWA
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Tohoku University Graduate School of Medicine,Sendai,Japan
キーワード:
アポクリン腺癌
,
リンパ節転移
,
免疫組織学的所見
Keyword:
アポクリン腺癌
,
リンパ節転移
,
免疫組織学的所見
pp.883-886
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103074
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要約 54歳,男性.4年くらい前から右腋窩に弾性硬の皮下腫瘤が出現し,増大してきた.近くの外科,整形外科を受診し,皮膚生検でアポクリン腺癌と診断され当科を紹介された.術前検査でリンパ節転移が疑われたため,拡大切除およびリンパ節郭清を施行した.病理組織学的には淡好酸性胞体と腫大した核を有する異型細胞が充実性,一部管腔構造をとって増生し,一部で断頭分泌像が認められた.リンパ節転移は,摘出した26個のリンパ節のうち17個で陽性であった.また,腫瘍細胞はGCDFP-15,CAM5.2,EMA,HER-2などが陽性であった.断端は陰性であったが,術後再発のリスクを考え放射線療法を追加した.アポクリン腺癌に対する術後補助療法として確立されたものは今のところないが,自験例は術後放射線治療を施行し,術後10か月を経過したが,再発や転移は認めていない.
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