発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013133395
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68歳女。乾性咳と微熱に対しクラリスロマイシンを処法されたが改善しなかった。また、LDHの高値を認め、胸部X線、胸腹骨盤CT、喀痰培養、上部消化管内視鏡などを施行したが原因不明であった。食思不振や全身倦怠感が強くなり、2ヵ月間に3kgの体重減少も認めたため精査目的に紹介となった。軽度の貧血と血小板減少を認め、AST、LDH、可溶性IL-2受容体高値、胸部CTで両側肺に斑状・結節状のごく淡いスリガラス影をびまん性に認め、LDHは高値であった。呼吸機能検査では、拡散障害を認め、ガリウムシンチグラフィでは両側肺野に軽度の集積増加を認めた。FDG-PET/CTでも両肺にびまん性に集積増加を認めた。肺病変に対し気管支肺胞洗浄(BAL)および経気管支肺生検(TBLB)を施行したところ、明らかな感染因子の検出はなかったが、右B8a、bからランダムに3ヶ所TBLBを施行した。その結果、全てにHE染色で肺胞毛細血管内に大型異型リンパ球の浸潤が認められた。免疫染色では、CD20陽性、bcl-2陽性、Ki-67陽性で、血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)と診断された。化学療法(R-CHOP療法)を開始し、2コース終了後にLDH、可溶性IL-2レセプターは正常化した。外来にて化学療法を含め6コース継続し18ヵ月を経て再燃は認めていない。
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