Japanese
English
症例報告
両手と左腋窩に生じた皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma on the both hands and left axilla
綿貫(工藤) 沙織
1
,
石橋 正史
1
,
山本 享子
1
,
坂巻 文雄
2
,
陳 科榮
1
Saori WATANUKI(KUDO)
1
,
Masafumi ISHIBASHI
1
,
Kyoko YAMAMOTO
1
,
Fumio SAKAMAKI
2
,
Ko-Ron CHEN
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
2東京都済生会中央病院呼吸器内科
1Division of Dermatology,Tokyo-to Saiseikai Central Hospital,Tokyo,Japan
2Division of Respiratory Medicine,Tokyo-to Saiseikai Central Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
皮膚結核
,
骨関節結核
,
肺外結核
Keyword:
皮膚腺病
,
皮膚結核
,
骨関節結核
,
肺外結核
pp.816-820
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103056
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要約 81歳,女性.心不全・腎不全で入院中.結核の既往はない.初診の9か月前より左腋窩に皮下結節を生じた.4か月前より右手関節痛があり骨折の診断で加療されていたが,数週間前より同部に皮下腫瘤と潰瘍が出現した.初診時,左腋窩と両手関節背面に拇指頭大から鶏卵大の有痛性皮下結節と腫瘤を認め,潰瘍を伴ったが発赤・熱感はなかった.皮下膿汁のZiehl-Neelsen染色で抗酸菌が陽性であった.膿汁の結核菌PCRが陽性であった.培養ではMycobacterium tuberculosisが検出された.X線で左肩・両手関節の著明な骨破壊像があり,骨関節結核に伴う皮膚腺病と診断した.4剤併用療法で潰瘍は徐々に縮小したが関節の機能障害を残した.皮膚腺病が左腋窩と両手に生じた稀な症例を経験した.高齢者の緩徐に進行し発赤や熱感を伴わない皮下腫瘤や潰瘍では皮膚腺病を鑑別に挙げて積極的に精査を行う必要がある.
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