Japanese
English
症例報告
左鼠径部皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma of left inguinal region
小野 与里子
1
,
石川 理穂
1
,
市川 元司
2
Yoriko ONO
1
,
Riho ISHIKAWA
1
,
Motoshi ICHIKAWA
2
1岐阜県立多治見病院皮膚科
2岐阜県立多治見病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital, Tajimi, Japan
2Division of Respiratory Medicine, Gifu Prefectural Tajimi Hospital, Tajimi, Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
転移性結核膿瘍
,
冷膿瘍
,
PCR法
Keyword:
皮膚腺病
,
転移性結核膿瘍
,
冷膿瘍
,
PCR法
pp.991-995
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200045
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要約 87歳,男性.16歳時,肺結核症の既往あり.左鼠径部に熱感に乏しい皮膚腫瘤が出現し,徐々に増大した.精査の結果,精巣結核が認められた.皮膚生検組織では結核病変は認められず,非特異的な炎症所見のみであったが,生検組織からの培養,PCRなどにて結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が検出された.精巣病変と皮膚病変が連続していたため,皮膚腺病と診断し,諸検査では肺の活動性結核はなかった.高齢のため,ピラジナミドを除く3剤併用抗結核剤療法にて治癒した.自験例は鼠径部という稀少な部位の皮膚腺病である.炎症所見に乏しい膿瘍形成を認めた場合,特に高齢者では,生検の結果によらず,結核症の可能性を念頭に置き,精査する必要があると考えた.
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