Japanese
English
症例報告
軟部腫瘍が疑われたchronic expanding hematomaの1例
A case of chronic expanding hematoma resembling a soft tissue tumor
高井 彩也華
1
,
青木 繁
1
,
崎山 真幸
1
,
阿部 浩之
1
,
藤本 典宏
1
,
小林 孝志
1
,
秋山 酉
1
,
多島 新吾
1
Sayaka TAKAI
1
,
Shigeru AOKI
1
,
Masayuki SAKIYAMA
1
,
Hiroyuki ABE
1
,
Norihiro FUJIMOTO
1
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Minoru AKIYAMA
1
,
Shingo TAJIMA
1
1防衛医科大学校皮膚科学講座
1Department of Dermatology, National Defense Medical College, Tokorozawa, Japan
キーワード:
軟部腫瘍
,
chronic expanding hematoma
,
抗凝固療法
Keyword:
軟部腫瘍
,
chronic expanding hematoma
,
抗凝固療法
pp.1059-1063
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103484
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要約 67歳,男性.甲状腺機能亢進症,心房細動の既往(54歳からバイアスピリン®1T1×内服)があり抗凝固療法中である.約6年前,右膝に有痛性腫瘤が出現し,疼痛は消失したが腫瘤が残存した.初診時,右膝部に径13cm大の腫瘤と右下腿浮腫を認めた.臨床および画像所見から軟部腫瘍を疑い針生検を施行したが診断に至らず,全摘出し病理所見よりchronic expanding hematoma(CEH)と診断した.皮膚科領域ではCEHはなじみが薄く,鑑別診断に挙がらないことも多い.また画像による術前診断は難しく,病理組織像が診断の鍵となる.過去5年間に報告されたCEH 36例の多くは軟部組織に生じているが,抗凝固薬を服用していた例は自験例を含め2例のみであった.抗凝固療法がCEH発症に寄与した可能性は否定できないと考えた.
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