Japanese
English
症例報告
乳児線維性過誤腫の1例
A case of fibrous hamartoma of infancy
寺石 美香
1
,
青木 奈津子
1
,
北川 伸子
2
,
佐野 栄紀
1
Mika TERAISHI
1
,
Natsuko AOKI
1
,
Nobuko KITAGAWA
2
,
Shigetoshi SANO
1
1高知大学医学部皮膚科学講座
2吉本小児科皮膚科
1Department of Dermatology,Kochi Medical School,Nankoku,Japan
2Yoshimoto Clinic of Pediatrics and Dermatology,Nankoku,Japan
キーワード:
乳児線維性過誤腫
,
fibrous hamartoma of infancy
,
多毛
Keyword:
乳児線維性過誤腫
,
fibrous hamartoma of infancy
,
多毛
pp.563-566
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102990
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要約 1歳4か月,女児.生後9か月頃,右項部の皮下腫瘤に家人が気付いた.徐々に増大してきたため当科を受診した.初診時,径15mmの表面平滑な硬い皮下腫瘤を触れた.下床との可動性は比較的良好であった.また,腫瘤部に一致した皮表には淡い褐色斑と多毛を認めた.生検病理組織では真皮深層から脂肪織内にかけ,索状の線維性組織,未分化細胞巣と,孤立する成熟脂肪細胞の3成分の増殖を認めた.腫瘍直上の真皮内には,エクリン腺の過形成と扁平上皮化生を認めた.以上より乳児線維性過誤腫と診断した.本症は特徴的な病理組織をもって診断されるが,3成分の構成バランスによっては術前の診断が困難である.その際,表面皮膚の臨床像や腫瘍周辺部の組織学的変化,また,乳児に簡便に行うことのできる皮膚超音波検査が診断に有用と考えた.
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