Japanese
English
特集 日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患―リンパ腫との鑑別が問題になる関連疾患―
(症例報告)
皮膚浸潤が診断契機となった慢性骨髄単球性白血病の1例
Chronic myelomonocytic leukemia diagnosed following the appearance of skin infiltration
長野 有花子
1
,
水野 みどり
1
,
藤枝 敦史
2
Yukako NAGANO
1
,
Midori MIZUNO
1
,
Atsushi FUJIEDA
2
1伊勢赤十字病院,皮膚科(主任:水野みどり部長)
2同,血液内科
キーワード:
慢性骨髄単球性白血病
,
特異疹
Keyword:
慢性骨髄単球性白血病
,
特異疹
pp.1815-1818
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004247
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69歳,女性。以前より検診で白血球および血小板減少を指摘されていた。初診3カ月前より下肢に無症候性丘疹が出現し全身に拡大した。病理組織像で真皮全層に大型の核を有する多辺形~紡錘形の異型細胞の密な浸潤を認めた。血液検査で著明な単球の増加,骨髄中に不整形の核を有する幼弱な単球系細胞が増殖しており,特異疹を伴う慢性骨髄単球性白血病の急性転化と診断した。化学療法開始後皮疹は消退したが,3カ月後に左下腿に特異疹が出現した。FLT3-ITD変異を伴う急性転化状態で再発をきたし,初診から約7カ月で死亡した。慢性骨髄単球性白血病は慢性に無症状で経過することが多く,皮膚病変が診断契機となる場合がある。早期診断・治療のため皮膚生検が有用であった。
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