Japanese
English
症例報告
HIV感染者に生じた悪性梅毒の1例
A case of malignant syphilis in a patient with human immunodeficiency virus infection
松尾 佳美
1
,
原 武
1
,
波多野 裕二
1
,
土井 正男
2
Yoshimi MATSUO
1
,
Takeshi HARA
1
,
Yuji HATANO
1
,
Masao DOI
2
1県立広島病院皮膚科
2県立広島病院呼吸器内科・リウマチ科
1Division of Dermatology,Hiroshima Prefectural Hospital,Hiroshima,Japan
2Division of Respiratory Medicine and Rheumatology,Hiroshima Prefectural Hospital,Hiroshima,Japan
キーワード:
2期梅毒
,
悪性梅毒
,
HIV感染症
Keyword:
2期梅毒
,
悪性梅毒
,
HIV感染症
pp.442-446
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102953
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要約 40歳,男性.初診2か月前より発汗,全身倦怠感,下痢,体重減少を自覚していた.その後両下腿に紅色丘疹や膿疱が出現し,徐々に全身へ広がり,膿疱が自潰し潰瘍を生じるようになったため当科を受診した.血液検査では梅毒血清反応およびHIV抗体が陽性で,CD4陽性リンパ球数は30/μlと著明に低下しており,AIDS発症期のHIV感染者に生じた悪性梅毒と診断した.ペニシリン1,500mg/日の投与と抗HIV療法を開始し,8週間後には梅毒の皮疹は略治したが,梅毒血清反応でRPR値が上昇していた.そのため,ペニシリンの投与を継続し,投与20週間後にRPR値が低下傾向であることと抗HIV療法によるCD4陽性リンパ球数の回復を確認しペニシリンの投与を終了した.HIV・梅毒合併感染者の梅毒活動性の評価や治療については確立された指針は現在のところみられず,今後さらに症例を蓄積し検討する必要があると思われた.
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