Japanese
English
臨床経験
MRSA脊髄硬膜内膿瘍の1例
MRSA Spinal Subdural Abscess : A Case Report
恒川 博巳
1
,
本間 信吾
1
,
奥村 潤一郎
1
Hiromi Tsunekawa
1
1市立札幌病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo City General Hospital
キーワード:
MRSA
,
subdural abscess
,
硬膜内膿瘍
Keyword:
MRSA
,
subdural abscess
,
硬膜内膿瘍
pp.369-371
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902403
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抄録:持続硬膜外ブロックが原因でMRSA硬膜内膿瘍を引き起こし,対麻痺に至った症例を経験した.症例は51歳男性,近医で持続硬膜外ブロック開始後に発熱,腰背部・両下肢激痛,両下肢麻痺,膀胱直腸障害を生じ,当院に搬送された.経過と画像所見より硬膜外膿瘍や硬膜外血腫を疑って手術を繰り返したが,症状・全身状態とも悪化した.髄液所見と創部からの排膿のため,硬膜切開をしたところ,内部に膿が貯留していた.排膿・ドレナージ,抗生物質投与などを行い炎症は鎮静化したが,両下肢は完全麻痺となった.
脊髄硬膜内膿瘍は,非常に稀で術前の確定診断も難しいため,その存在を念頭に置いて検査を進め,必要なら硬膜切開も考慮すべきである.
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