Japanese
English
症例報告
ラモトリギンによる播種状紅斑丘疹型薬疹―DLSTの有用性と末梢血Th17細胞の増加
Maculopapular drug eruption due to lamotrigine:Usefulness of DLST for diagnosis and increased circulating Th17 cells
春山 護人
1
,
杉田 和成
1
,
椛島 利江子
1
,
中村 元信
1
,
戸倉 新樹
1
Sanehito HARUYAMA
1
,
Kazunari SUGITA
1
,
Rieko KABASHIMA
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,University of Occupational and Environmental Health,Kitakyushu,Japan
キーワード:
ラモトリギン
,
播種状紅斑丘疹型薬疹
,
薬剤誘発性リンパ球刺激試験
,
Th1
,
Th17
Keyword:
ラモトリギン
,
播種状紅斑丘疹型薬疹
,
薬剤誘発性リンパ球刺激試験
,
Th1
,
Th17
pp.223-226
発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102834
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要約 28歳,男性.てんかんに対してラモトリギン内服開始2週間後より,発熱および全身に紅色丘疹が出現し,肝機能障害も伴った.HHV-6の再活性化はみられなかった.ラモトリギンの薬剤誘発性リンパ球刺激試験が陽性であり,同薬剤による播種状紅斑丘疹型薬疹と診断した.患者末梢血リンパ球の細胞内サイトカイン解析において,IFN-γとIL-17陽性細胞の上昇を認め,Th1細胞やTh17細胞がその病態形成に関与している可能性が示唆された.ラモトリギンによる薬疹は海外ではStevens-Johnson症候群,中毒性表皮壊死症,薬剤性過敏症症候群といった重症型薬疹の報告もみられる.本邦では比較的新しい薬剤のためラモトリギンによる薬疹の報告はいまだ少ないが,今後薬剤の汎用に伴い増加することが予想される.
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