Japanese
English
症例報告
強直性脊椎炎様症状と多関節炎を呈した関節症性乾癬の1例
A case of psoriasis arthropathica with features of ankylosing spondylitis and polyarthritis
安田 文世
1
,
塩田 剛章
1
,
森 布衣子
1
,
木花 いづみ
1
Fumiyo YASUDA
1
,
Takeaki SHIODA
1
,
Nuiko MORI
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Divison of Dermatology,Hiratsuka City Hospital,Hiratsuka,Japan
キーワード:
関節症性乾癬
,
強直性脊椎炎
,
多関節炎
,
免疫抑制剤
Keyword:
関節症性乾癬
,
強直性脊椎炎
,
多関節炎
,
免疫抑制剤
pp.17-21
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102780
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要約 71歳,男性.2001年より変形性脊椎症の既往がある.同年より尋常性乾癬を発症.光線療法,エトレチナート内服をしたが抵抗性で,2008年からは他院で外用療法のみを行っていた.2009年6月末から右手関節部の疼痛が出現した.当科再初診時,右手関節部を中心に手背から前腕に熱感を伴うびまん性の紅斑と腫脹を認めた.特に指関節に腫脹が強く,鱗屑を伴う紅斑が著明だった.このほか,腰部,肩などの疼痛,可動制限があった.腰部X線上bamboo spine様変化を呈し,骨シンチグラフィでは可動制限部位に一致して集積の亢進を認めた.メトトレキサートの単独投与は無効で,シクロスポリン,ステロイドを加えて皮膚,関節症状ともに軽快した.腰痛などの症状は,関節症性乾癬の症状として認識されずに長期間放置されてしまうことが多い.関節症性乾癬は関節破壊に至る前に早期診断,治療を要し,その治療は関節,皮膚症状の両視点から総合的に行うべきと考える.
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