Japanese
English
症例報告
脳梗塞を併発したOsler結節の1例
A case of Osler's nodes with brain infarction
菊地 陽
1
,
箭原 弘典
1
,
高山 かおる
1
,
佐藤 貴浩
1
,
横関 博雄
1
Aki KIKUCHI
1
,
Hironori YAHARA
1
,
Kaoru TAKAYAMA
1
,
Takahiro SATOH
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学院皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Graduate School,Tokyo Medical and Dental University,Tokyo,Japan
キーワード:
紫斑
,
Osler結節
,
感染性心内膜炎
,
脳梗塞
Keyword:
紫斑
,
Osler結節
,
感染性心内膜炎
,
脳梗塞
pp.859-862
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102728
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要約 27歳,男性.初診の1か月前から発熱が続き左1趾と足底に半米粒大の紫斑が出現した.初診時の経胸骨心エコーでは異常所見を認めなかった.血液培養からStaphylococcus aureusが検出された.抗生剤の開始翌日に左上肢麻痺,眼球運動障害が出現した.MRIにて脳梗塞像を認めた.その後,心雑音著明となり経食道心エコーを行ったところ,僧帽弁と左室内に疣贅を認めた.感染性心内膜炎と診断された.紫斑の病理組織では,真皮下層から脂肪織にかけて脈管周囲に著明な細胞浸潤を認め,血管壁が破壊されていた.閉塞した内腔にグラム染色陽性の顆粒状菌体成分を認めた.以上よりOsler結節と診断した.バンコマイシンとパニペネムの点滴にて治癒した.Osler結節を見た際には経胸骨心エコーで疣贅を確認できなくても,臨床所見を慎重に観察し,経食道心エコーを行う必要があると思われる.
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