JIM臨床画像コレクション
Osler結節
鄭 東孝
1
1国立東京第二病院総合診療科
pp.453
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902164
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患者は31歳男性.1カ月前から続く全身倦怠感と体重減少,手先の冷感を主訴に来院.来院時の身体所見で爪下の線状出血と指尖,母指丘,小指丘に表紙のような小結節を認めた.聴診上心雑音はなかったが亜急性心内膜炎を最も疑い入院とした.頻回の血液培養でも菌は分離されず,心エコー上も疣贅はなかった.抗核抗体は160倍とそれほど高値ではなかったが,抗二重鎖DNA抗体の著しい増加を認め,一般検査を見直してみると尿所見では顆粒円柱があり,白血球減少,リンパ球減少があることから全身性エリテマトーデスと判明し膠原病科に転科した.
表紙の小結節はOsler結節である.その名はあまりにも有名だが,感染性心内膜炎に特異的ではなく,本例のように全身性エリテマトーデスや腸チフス,橈骨動脈にカニュレーションしている場合,淋菌感染,溶血性貧血などにも出現することを知っておくべきである.亜急性心内膜炎での出現頻度は23~50%といわれている.
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