Japanese
English
症例報告
下腿の硬結として初発したOsler結節から診断に至った感染性心内膜炎の1例
A case of infective endocarditis diagnosed from an Osler nodule which developed as an induratum of the left leg
中村 元泰
1
,
関東 裕美
1
,
福田 裕子
1
,
大橋 則夫
1
,
渡邊 善則
2
,
佐々木 雄毅
2
,
藤本 進一郎
3
,
高村 和久
3
,
石河 晃
1
Motoyasu NAKAMURA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Yuko FUKUDA
1
,
Norio OHASI
1
,
Yoshinori WATANABE
2
,
Yusuke SASAKI
2
,
Sinichiro HUJIMOTO
3
,
Kazuyuki TAKAMURA
3
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医療センター大森病院皮膚科
2東邦大学医療センター大森病院循環器外科
3東邦大学医療センター大森病院循環器内科
1Department of Dermatology, Toho University Omori, Tokyo, Japan
2Derartment of Cardiovascular Surgery, Toho University Omori, Tokyo, Japan
3Department of Cardiology, Toho University Omori, Tokyo, Japan
キーワード:
感染性心内膜症
,
Osler結節
Keyword:
感染性心内膜症
,
Osler結節
pp.725-730
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104105
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要約 49歳,男性.初診の4日前から発熱と左下肢痛が出現し,歩行不能となり当院救急外来を受診した.初診時,左下腿に発赤,腫脹と,熱感を伴う鶏卵大の硬結を認めた.CRP,白血球数が高値であり,蜂窩織炎の疑いで入院した.生検施行後抗生剤投与にて症状は軽快し,1週間後に退院したが,その1週間後,再度39℃の発熱が出現し,再入院した.再入院時,手指に有痛性の紅色結節が,手掌,足趾には無痛性の点状出血がみられた.初診時みられた下腿の硬結の生検結果より下腿と手指の結節はOsler結節と診断した.心エコーで大動脈弁に疣贅,血液培養で黄色ブドウ球菌が確認され,感染性心内膜炎が明らかになった.循環器内科に転科後,抗生剤による治療が奏効し,諸検査が正常化し,大動脈弁置換術を行った.Osler結節は手指足趾に好発するが,他の部位に硬結として発症することがあり,発熱患者に有痛性紅斑を認めた際にはOsler結節も念頭に置くべきと考えた.
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