Japanese
English
症例報告
全身性エリテマトーデスに対するステロイド長期内服中に生じた壊死性筋膜炎による広範囲皮膚欠損を上皮化しえた1例
A case of widespread skin deficit with necrotizing fasciitis in a patient with systemic lupus erythematosus receiving long-term oral steroid therapy successfully treated with plural skin grafts
川西 恵美子
1
,
田嶋 佐妃
1
,
水谷 浩美
1
,
西田 睦美
1
,
浅井 純
1
,
竹中 秀也
1
,
岸本 三郎
2
Emiko KAWANISHI
1
,
Saki TASHIMA
1
,
Hiromi MIZUTANI
1
,
Mutsumi NISHIDA
1
,
Jun ASAI
1
,
Hideya TAKENAKA
1
,
Saburo KISHIMOTO
2
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
2JR大阪鉄道病院
1Department of Dermatology,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto,Japan
2JR Osaka Railway Hospital,Osaka,Japan
キーワード:
壊死性筋膜炎
,
Citrobacter freundii
,
Thiersch植皮
,
皮膚萎縮
,
サクションブリスター
Keyword:
壊死性筋膜炎
,
Citrobacter freundii
,
Thiersch植皮
,
皮膚萎縮
,
サクションブリスター
pp.769-773
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102709
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要約 45歳,女性.全身性エリテマトーデスに対しステロイドを長期内服中,左下腿の腫脹,激痛を主訴に当科を受診した.左下腿から足背にかけて広範囲に皮膚の壊死を認め,壊死性筋膜炎の診断で緊急入院のうえ,デブリードマン,抗生薬投与を行った.その後,感染は制御されたが,左下腿全周と足背にかけて皮膚潰瘍が残存した.分層植皮は,ステロイド長期内服による高度皮膚萎縮のため,デルマトームによる採皮が困難であった.サクションブリスター,全層植皮,頭皮からのThiersch植皮を繰り返し行い,潰瘍は略治した.なかでも頭皮からのThiersch植皮は,採皮後の上皮化が早く,同部位から何度も採皮することができるため,本症例のように採皮部の選択に難渋する広範囲皮膚欠損に対して,有効な手段であると考えられた.
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