Japanese
English
症例報告
急速に拡大した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum which had expanded rapidly
大東 淳子
1
,
井口 愛
1
,
臼井 智彦
1
,
浅井 純
1
,
益田 浩司
1
,
竹中 秀也
1
,
加藤 則人
1
,
岸本 三郎
1
Junko DAITO
1
,
Ai IGUCHI
1
,
Tomohiko USUI
1
,
Jun ASAI
1
,
Koji MASUDA
1
,
Hideya TAKENAKA
1
,
Norito KATOH
1
,
Saburo KISHIMOTO
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
壊死性筋膜炎
,
炎症性腸疾患
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
壊死性筋膜炎
,
炎症性腸疾患
pp.589-592
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102049
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要約 71歳,女性.初診の2週間前より,左大腿後面に紅色丘疹が出現し,徐々に潰瘍を形成した.他医にて抗生物質を投与されたが,潰瘍は増悪してきた.初診時,左大腿後面に直径5cmの周囲に血疱,浮腫を伴う穿掘性潰瘍を認めた.その後,潰瘍は急速に拡大し,受診6日後には直径18cmの筋膜に及ぶ潰瘍となったため,緊急入院した.初診時の細菌,真菌,抗酸菌の培養はすべて陰性であった.潰瘍部の病理組織像では,真皮全層から脂肪織にかけて好中球優位の炎症細胞浸潤を認めた.以上より,壊疽性膿皮症と診断し,プレドニゾロン40mg/日の内服を開始した.潰瘍はプレドニゾロン開始直後より,著明に改善傾向を示した.入院後の検査で,非特異的な炎症性腸炎がみられた.自験例のように急速に病変が拡大する例では,迅速に壊死性筋膜炎と鑑別し,副腎皮質ステロイド薬を早期より投与することが重要であると考えた.
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