Japanese
English
症例報告
TNF阻害薬投与中に出現した血管炎の1例
A case of vasculitis associated with tumor necrosis factor blocking agent
新石 健二
1
,
折戸 秀光
1
,
長谷川 稔
1
,
濱口 儒人
1
,
鈴木 康倫
2
,
川野 充弘
2
,
藤本 学
1
,
竹原 和彦
1
Kenji ARAISHI
1
,
Hidemitsu ORITO
1
,
Minoru HASEGAWA
1
,
Yasuhito HAMAGUCHI
1
,
Yasunori SUZUKI
2
,
Mitsuhiro KAWANO
2
,
Manabu FUJIMOTO
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
1金沢大学医学部皮膚科学
2金沢大学医学部リウマチ内科
1Department of Dermatology,Kanazawa University School of Medical Science,Kanazawa,Japan
2Department of Rheumatology,Kanazawa University School of Medical Science,Kanazawa,Japan
キーワード:
血管炎
,
TNF阻害薬
,
関節リウマチ
,
全身性強皮症
Keyword:
血管炎
,
TNF阻害薬
,
関節リウマチ
,
全身性強皮症
pp.454-458
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102639
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要約 17歳,女性.14歳頃よりRaynaud現象と皮膚硬化が出現し,全身性強皮症と診断された.ステロイド内服治療を開始し,皮膚硬化は抑制されていたが,17歳時に手指関節痛が出現した.骨びらん所見を認め,リウマトイド因子陽性だったため,関節リウマチの合併と診断し,タクロリムスが追加された.しかしながら関節痛は軽快せず,可溶性TNF受容体製剤(エタネルセプト)による治療が開始され,関節痛は消失した.しかし,投与開始2か月後に下腿に紫斑が出現し,腹痛を伴ったため,精査と加療のために入院した.紫斑の生検では,真皮小血管に白血球破砕性血管炎がみられたものの,IgAの沈着は認めなかった.エタネルセプトの中止とステロイド増量投与にて,紫斑は軽快,腹痛症状は消失した.経過より,TNF阻害薬が血管炎を誘発した可能性を考えた.
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