Japanese
English
症例報告
顔面神経麻痺を伴った多菌型Hansen病の1例
A case of multibacillary type Hansen's disease associated with facial palsy
松本 悠子
1
,
安岡 英美
1
,
加茂 真理子
1
,
大内 健嗣
1
,
石河 晃
1
,
石井 則久
2
,
天谷 雅行
1
Yuko MATSUMOTO
1
,
Emi YASUOKA
1
,
Mariko KAMO
1
,
Takeshi OUCHI
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Norihisa ISHII
2
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2国立感染症研究所ハンセン病研究センター
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Leprosy Research Center,National Institute of Infectious Diseases,Tokyo,Japan
キーワード:
Hansen病
,
らい反応
,
ステロイド
Keyword:
Hansen病
,
らい反応
,
ステロイド
pp.337-341
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102559
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要約 29歳,男性.インドネシア人.初診3か月前から左頰部に紅色結節が出現した.初診時,左顔面に弾性硬,境界明瞭な隆起性紅色結節が連なり,結節周囲の知覚鈍麻を認めた.病理組織学的には真皮に組織球性肉芽腫形成,多数の抗酸菌を認めた.スメア検査では菌指数4+~5+で,多菌型Hansen病と診断した.治療直前に急速な皮疹の悪化と顔面神経麻痺が出現した.1型らい反応と考え,WHOの多剤併用療法(ジアフェニルスルホン,クロファジミン,リファンピシン)に加えプレドニゾロン1mg/kg/日内服を併用し,皮疹および顔面神経麻痺は改善した.Hansen病では,らい反応による神経障害が永久的な後遺症を残し,偏見・差別につながることがあるため速やかで適切な対応が必要となる.神経症状を注意深く観察し,らい反応による急激な末梢神経炎がみられたら早期にステロイド投与を開始することが重要である.
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