Japanese
English
症例報告
ワシントンDCで刺傷し,帰国後発症したライム病の1例
A case of Lyme disease that bitten in Washington D.C. and developed after returns home
森下 綾子
1
,
谷口 裕子
1
,
大滝 倫子
1
,
川端 寛樹
2
Ayako MORISHITA
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Noriko OHTAKI
1
,
Hiroki KAWABATA
2
1九段坂病院皮膚科
2国立感染症研究所細菌第一部4室
1Department of Dermatology,Kudanzaka Hospital,Tokyo,Japan
2Department of Bacteriology,National Institute of Infectious Disease,Tokyo,Japan
キーワード:
ライム病
,
遊走性紅斑
,
抗Borrelia抗体
,
Borrelia burgdorferi
Keyword:
ライム病
,
遊走性紅斑
,
抗Borrelia抗体
,
Borrelia burgdorferi
pp.343-346
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102560
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要約 56歳,女性.ワシントンDC在住.左上腕に虫刺様皮疹が出現した.その後,同部位の発赤・疼痛と頭痛が出現し,帰国後に当科を受診した.初診時,左上腕伸側に径4cmの硬結を伴う紅斑局面,中央に紫紅色の紫斑と径2mmの水疱を2個認め,異所性ヘルペスおよび二次感染を疑い,抗生剤の点滴,内服を行った.その後,紅斑局面の外側に径8×7cmの環状紅斑が生じ,検査で血清中の抗Borrelia抗体はELISA法で陽性,リコンビナント抗原を用いたウエスタンブロット法でIgM陽性,IgGボーダーラインの結果を得て,ライム病と診断した.塩酸ミノサイクリン200mg/日内服を1週間行い,色素沈着のみとなった.その後,渡米して現地の医師を受診し,塩酸ドキシサイクリン200mg/日を6週間,1か月後さらに3週間内服し,以後再発は認めていない.自験例のように,北米ではワシントンDC近郊などの住宅地でもライム病の発症が少なくなく,また北米のBorrelia burgdorferiは毒性が強いといわれており,注意が必要である.
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