特集 体幹の皮膚病-炎症性
臨床例
斑状皮膚萎縮症 Hansen病治療歴のあるブラジル人男性例
須原 紫
1
,
佐藤 彰洋
,
榊原 章浩
,
石井 則久
1愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院 皮膚科
キーワード:
偽陽性反応
,
ケロイド
,
鑑別診断
,
梅毒血清反応
,
Hansen病
,
抗リン脂質抗体
,
外国人
,
ブラジル
,
斑状皮膚萎縮症
,
皮膚外科
Keyword:
Brazil
,
Diagnosis, Differential
,
False Positive Reactions
,
Leprosy
,
Keloid
,
Syphilis Serodiagnosis
,
Antibodies, Antiphospholipid
,
Anetoderma
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.489-492
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013255774
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<症例のポイント>斑状皮膚萎縮症は、特有の柔らかく隆起した外観を呈するまれな疾患である。今回われわれは本邦では、報告のないHansen病の治療後に生じた斑状皮膚萎縮症を経験した。自験例はHansen病を契機に抗リン脂質抗体が誘導され、それにより梅毒生物学的偽陽性を示したと考えられる。また、誘導された抗リン脂質抗体が、斑状皮膚萎縮症の形成にかかわる弾性線維の障害に関与している可能性があるが、そのメカニズムはまだはっきり解明されていない。斑状皮膚萎縮症の患者を診た場合には、注意深く背景の疾患や抗リン脂質抗体を含めた自己抗体の検索などを行う必要があると考えた。
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