症例
日本で発症したフィリピン人のBL型ハンセン病の1例
鵜飼 佳子
1
,
杉本 俊郎
,
川内 康弘
,
大井 綱郎
,
藤井 紀和
,
中西 健史
,
石井 則久
1国立病院機構東近江総合医療センター 皮膚科
キーワード:
Clofazimine
,
Dapsone
,
細菌DNA
,
PCR法
,
Prednisolone
,
Rifampicin
,
感覚障害
,
紅斑
,
生検
,
多剤併用療法
,
短期滞在者
,
肉芽腫
,
膝
,
Hansen病
,
Loxoprofen
,
外国人
,
腫脹
,
フィリピン
,
中手
Keyword:
Biopsy
,
Dapsone
,
Clofazimine
,
Drug Therapy, Combination
,
DNA, Bacterial
,
Erythema
,
Granuloma
,
Metacarpus
,
Knee
,
Leprosy
,
Philippines
,
Prednisolone
,
Sensation Disorders
,
Rifampin
,
Transients and Migrants
,
Polymerase Chain Reaction
,
Loxoprofen
pp.675-678
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017237912
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50歳代男。出稼ぎのためフィリピンより来日した月末より左上肢の腫脹および疼痛、しびれ感が出現した。左手背はグローブ状に腫脹し左膝周囲や他の部位に左右非対称に紅斑を認め、左環指および小指と左膝の感覚低下を認めた。病理組織学的所見では真皮に泡沫化した組織球が浸潤し、肉芽腫を形成し、Ziehl-Neelsen染色およびFite染色では抗酸菌陽性であった。皮膚スメア検査は抗酸菌陽性であり、PCRにてらい菌に特異的なDNA増幅を検出し、1型らい反応を伴ったBL型ハンセン病と診断した。患者本人が携帯電話を所持せずに居住地を茨城県・三重県・北海道と転々としたことから治療の継続が危ぶまれたが、ハンセン病研究センターの協力を得ることで患者の現状把握・転居先での病院の斡旋が可能となり、多剤併用治療薬を合計26ヵ月分内服して治療終了することができた。
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