Japanese
English
症例報告
2回の生検により診断確定に至ったDuhring疱疹状皮膚炎の1例
A case of dermatitis herpetiformis Duhring diagnosed by second biopsy
松本 悠子
1
,
吉田 和恵
1
,
久保 亮治
1
,
石井 健
1
,
天谷 雅行
1
,
石河 晃
1
Yuko MATSUMOTO
1
,
Kazue YOSHIDA
1
,
Akiharu KUBO
1
,
Ken ISHII
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Akira ISHIKO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
Duhring疱疹状皮膚炎
,
DDS
,
蛍光抗体直接法
Keyword:
Duhring疱疹状皮膚炎
,
DDS
,
蛍光抗体直接法
pp.464-467
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102641
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要約 18歳,女性.初診2か月前から顔面,耳介に水疱が出現した.背部,膝に掻痒を伴う不整形の紅斑が多発し,一部で小水疱が紅斑の辺縁に配列していた.初回生検では表皮直下の裂隙,真皮乳頭部に好中球浸潤を認めるのみで,蛍光抗体直接法では陽性所見は得られなかった.臨床,病理所見よりDuhring疱疹状皮膚炎(DH)を強く疑い,再生検を施行した.蛍光抗体直接法で真皮乳頭部にIgAの顆粒状沈着を認め,確定診断した.DDS75mg/日内服が著効した.DHの診断には,蛍光抗体直接法所見が必須である.水疱や紅斑などの病変部そのものを生検すると蛍光抗体直接法が偽陰性になることが欧米でも多数例で指摘されている.1回の生検で陽性所見が得られなくても,臨床・病理組織像からDHを疑う場合,無疹部を含む部位での再生検を行うべきである.
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