Japanese
English
症例報告
外科的切除によって症状の軽快が得られた肉芽腫性眼瞼炎の1例
A case of blepharitis granulomatosa successfully treated with surgical excison
佐藤 美聡
1
,
舩越 建
1
,
齋藤 昌孝
1
,
岡部 圭介
2
,
貴志 和生
2
,
大山 学
1
Misato SATOH
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Masataka SAITO
1
,
Keisuke OKABE
2
,
Kazuo KISHI
2
,
Manabu OHYAMA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部形成外科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
肉芽腫性眼瞼炎
,
浮腫結合性肉芽腫
,
外科的切除
Keyword:
肉芽腫性眼瞼炎
,
浮腫結合性肉芽腫
,
外科的切除
pp.127-131
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103888
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要約 50歳,男性.初診の約20年前より右上眼瞼が腫脹し,その後対側にも同様の腫脹が生じた.初診時,両上眼瞼に眉毛部から眼裂まで半球状に隆起する常色~淡紅色の弾性硬の腫脹を認めた.掻痒や疼痛など自覚症状はなかったが,眼裂の狭小化による視野障害をきたしていた.血液検査および全身精査にて明らかな異常所見は認められなかった.病理組織像では,真皮全層にわたる高度の浮腫性変化と乾酪壊死を伴わない小型の類上皮細胞性肉芽腫を認めた.以上より,肉芽腫性眼瞼炎と診断した.上眼瞼の部分切除術および皮弁による再建術を施行したところ,眼裂の開大が得られ,術後1年半の時点で再発はみられていない.肉芽腫性眼瞼炎の治療にはトラニラスト内服やステロイドの内服・局所注射がしばしば選択されるが,無効・再発例が多い.外科的切除は有効な治療方法の1つと考えられる.
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