Japanese
English
症例報告
左鼠径部に生じたアポクリン腺癌の1例
A case of apocrine adenocarcinoma on the left inguinal region
井上 禎規
1
,
宮本 亨
1
,
藤原 一人
2
,
奥山 典秀
2
,
葉狩 良孝
3
Sadanori INOUE
1
,
Toru MIYAMOTO
1
,
Kazuto FUJIWARA
2
,
Norihide OKUYAMA
2
,
Yoshitaka HAGARI
3
1津山中央病院皮膚科
2津山中央病院形成外科
3鳥取大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Tsuyama Central Hospital
2Division of Plastic Surgery,Tsuyama Central Hospital
3Depertment of Dermatology,Faculty of Medicine,Tottori University
キーワード:
アポクリン腺癌
,
鼠径部
,
両鼠径リンパ節転移
Keyword:
アポクリン腺癌
,
鼠径部
,
両鼠径リンパ節転移
pp.1207-1209
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101490
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陰部,鼠径部はアポクリン腺の存在部位であるが,腋窩に比べるとアポクリン腺癌の報告例は少ない.今回,われわれは鼠径部のアポクリン腺癌を経験したので報告する.35歳,男性.左鼠径部の皮下腫瘤を2002年1月に切除され,腺癌との診断にて全身検索施行したが原発巣は認められず,その後放置されていた.4月に切除瘢痕部に腫瘤を認め,当科受診した.病理組織学的所見よりアポクリン腺癌と診断した.アポクリン腺癌は比較的悪性度が高い腫瘍とされており,本例でも腫瘤に気が付いてから1年半程度で両鼠径リンパ節転移を認めた.このため,腫瘍拡大切除術,両鼠径リンパ節郭清術が必要であった.後療法は本人の希望もあり行わなかったが,術後5か月後の現在まで再発転移を認めていない.
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