Japanese
English
症例報告
疣状黄色腫の1例―ヒト乳頭腫ウイルス感染の検討
A case of verruciform xanthoma:Analysis of human papilloma virus infection
山本 晃三
1
,
種瀬 啓士
1
,
原藤 玲
1
,
若林 亜希子
1
,
宮川 俊一
1
Kozo YAMAMOTO
1
,
Keiji TANESE
1
,
Rei HARATOH
1
,
Akiko WAKABAYASHI
1
,
Syunichi MIYAKAWA
1
1川崎市立川崎病院皮膚科
1Division of Dermatology,Kawasaki Municipal Hospital,Kawasaki,Japan
キーワード:
疣状黄色腫
,
陰囊
,
泡沫細胞
,
ヒト乳頭腫ウイルス
Keyword:
疣状黄色腫
,
陰囊
,
泡沫細胞
,
ヒト乳頭腫ウイルス
pp.481-483
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102344
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要約 61歳,男性.約3年前より右陰囊部の腫瘍があり,徐々に増大した.病理組織学的に表皮の過角化および乳頭状増殖,真皮乳頭層に泡沫細胞および形質細胞,組織球の浸潤を認めた.特殊染色で真皮乳頭層の泡沫細胞に一致してCD68陽性細胞がみられた.以上より疣状黄色腫(verruciform xanthoma)と診断した.
本症では,ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)との関与が検討され,証明された報告例もあるが,自験例においてはHPVカプシド蛋白L-1に対する染色は陰性,HPV-PCRも陰性であった.慢性経過をとり,さまざまな病原体が付着する機会が多く,偶発的感染の可能性があっても,直接的な病因に関与することは否定的な報告が多く,自験例もそれを支持するものである.
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