書評
―著:茨木 保―まんが 医学の歴史
諏訪 邦夫
1
1帝京大学短期大学・麻酔科学
pp.319
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102261
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著者のいう「端っこにひっそりおかれる」医学史を,関心の中央へ持ち出すことに「まんが」を使って見事に成功し,それを医師自身が実行しているのが本書の成果です.まんが自体が美しく無理がなく,楽しい出来映えで,「医学史の入門のまた入門のつもり」と謙遜していますが,どうしてどうして.内容はヒポクラテス・ガレノスに始まり現代までカバーし,途中では日本の医学史も扱い,最新部分はDNA・移植医療・生殖医療に及びます.特にこの最新領域のカバーが見事な点が特筆に値します.
「まんが」と別に,著者の学識自体にも感心しました.本書の医学史は記述が正確で,私は不満を抱かず,むしろ感心しました.その例を1つだけ述べます.
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