Japanese
English
症例報告
ホタルイカ摂食による旋尾線虫typeXのcreeping eruptionの1例
A case of creeping eruption caused by the spiruroid type X Larve in firefly squids
湯川 まみ
1
,
谷口 裕子
1
,
大滝 倫子
1
,
石井 敏直
2
,
赤尾 信明
3
Mami YUKAWA
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Noriko OHTAKI
1
,
Toshinao ISHII
2
,
Nobuaki AKAO
3
1九段坂病院皮膚科
2石井皮膚科医院
3東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫学分野
1Division of Dermatology,Kudanzaka Hospital,Tokyo,Japan
2Ishii Dermatology Clinic,Tokyo,Japan
3Section of Environmental Parasitology,Department of International Health Development,Division of Public Health,Graduate School,Tokyo Medical and Dental University,Tokyo,Japan
キーワード:
creeping eruption
,
ホタルイカ
,
旋尾線虫type X幼虫
,
イベルメクチン
Keyword:
creeping eruption
,
ホタルイカ
,
旋尾線虫type X幼虫
,
イベルメクチン
pp.1020-1022
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102170
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要約 44歳,女性.ホタルイカを数回摂食した後,右腰部に疼痛と掻痒を伴う,線状に伸長する紅斑が生じたため,近医を受診した.寄生虫疾患を疑われ,当科を紹介された.初診前日より疼痛・掻痒感ともに消失していたが,右側腹部から臀部にかけて拇指頭大までの紅褐色斑がS字状に配列し,一部に浸潤を伴い,色素沈着を混じていた.血液検査では好酸球増多以外に異常はない.酵素抗体法にて患者血清は旋尾線虫抗原に陽性反応を示した.伸長する紅斑の先端部より生検を行い,真皮上層から中層に好酸球を認めたが,虫体は検出できなかった.以上より,旋尾線虫幼虫typeXによるcreeping eruptionと診断した.無治療のまま,色素沈着を残して軽快した.ホタルイカに寄生する旋尾線虫幼虫は,適切な加熱・冷凍処理により死滅する.本疾患の予防には,ホタルイカの取り扱いに関する行政の指導と,一般消費者への注意の喚起が重要と考える.
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