Japanese
English
症例報告
ブラジル鉤虫によると思われたcreeping eruptionの1例
A case of cutaneous larva migrans suspected by Ancylostoma braziliensis
本橋 尚子
1
,
谷口 裕子
1
,
大滝 倫子
1
,
滝野 長平
1
,
赤尾 信明
2
Naoko MOTOHASHI
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Noriko OHTAKI
1
,
Chohei TAKINO
1
,
Nobuaki AKAO
2
1九段坂病院皮膚科
2東京医科歯科大学医学部医動物学教室
1Division of Dermatology,Kudanzaka Hospital
2Depertment of Medical Zoology,Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
creeping eruption
,
ブラジル鉤虫
Keyword:
creeping eruption
,
ブラジル鉤虫
pp.373-375
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101206
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
48歳,男性.カリブ海の砂浜で横になった1週間後に右腋窩にそう痒および疼痛を伴う紅斑が出現,胸部に向け帯状に伸長した.病理組織学的には明らかな虫体は認められず,真皮全層に多数の好酸球の浸潤を認めた.Creeping eruptionと診断,経皮感染であることおよび罹患地域からブラジル鉤虫が原因と推察した.ブラジル鉤虫は日本には生息しないが,近年の邦人の海外旅行の増加に伴い,国外で罹患し帰国後発症する症例が増え,自験例を含め11例に達した.その罹患地は東南アジアと中南米に二分される.自験例では診断と治療を兼ねて外科的摘出を試みたが,虫体が検出されなかったにもかかわらず,自然治癒した.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.