Japanese
English
症例報告
マダコ咬傷の1例
Octopus vulgaris bite
石名 航
1
,
中川 浩一
1
,
石井 正光
2
Ko ISHINA
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Masamitsu ISHII
2
1済生会富田林病院皮膚科
2大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Division of Dermatology,Saiseikai Tondabayashi Hospital,Tondabayashi,Japan
2Department of Dermatology,Osaka City University Graduate School of Medicine,Osaka,Japan
キーワード:
タコ
,
マダコ
,
咬傷
,
動物性皮膚疾患
Keyword:
タコ
,
マダコ
,
咬傷
,
動物性皮膚疾患
pp.1023-1025
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102171
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要約 28歳,女性.家族で日本海側の海岸でタコを釣っていたところ,マダコに咬まれて受傷した.家で処置をしていたが,受傷部の腫脹と痛みが増強し,受傷3日後に当院を受診した.右前腕に直径4cmの紅斑を認め,中央部には1cm大の潰瘍が存在し,潰瘍周囲は白色に変色していた.周囲には吸盤による紫斑がみられた.マダコ咬傷と診断し,外用処置と抗生物質,非ステロイド系抗炎症薬内服を行った.受傷1か月後に潰瘍は略治した.タコによる咬傷の6件の本邦報告例では,全例で創部に難治性潰瘍または持続性の炎症性変化が生じている.マダコ咬傷は検索した限りでは報告されていない.マダコ咬傷においても難治性潰瘍が形成されることに注意が必要である.
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