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Rinsho Hifuka Volume 59, Issue 6 （May 2005）

臨床皮膚科 59巻6号（2005年5月発行）

Japanese English

症例報告

旋尾線虫幼虫Type-Xによるcreeping eruptionの1例 Creeping eruption caused by a larva of the nematode suborder Spirurina Type-X 川瀬正昭 ¹ , 赤尾信明 ² , 名和行文 ³ , 影井昇 ⁴ , 渡辺直熙 ⁵ , 新村眞人 ⁶ Masaaki KAWASE ¹ , Nobuaki AKAO ² , Yukifumi NAWA ³ , Noboru KAGEI ⁴ , Naohiro WATANABE ⁵ , Michihito NIIMURA ⁶ ¹国立大蔵病院皮膚科 ²東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学分野 ³宮崎医科大学寄生虫学教室 ⁴国立感染症研究所寄生動物部 ⁵東京慈恵会医科大学熱帯医学講座 ⁶東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 ¹Department of Dermatology,National Okura Hospital ²Section of Environmental Parasitology,Division of Public Health,Graduate School,Tokyo Medical and Dental Univerity ³Department of Parasitology,Miyazaki Medical College ⁴Department of Parasitology,National Institute of Infectious Diseases ⁵Department of Tropical Medicine,The Jikei University School of Medicine ⁶Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine キーワード：旋尾線虫幼虫Type-X , creeping eruption , ホタルイカ , ドロレス顎口虫 Keyword: 旋尾線虫幼虫Type-X , creeping eruption , ホタルイカ , ドロレス顎口虫 pp.490-493

発行日 2005年5月1日 Published Date 2005/5/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100181

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要約

　77歳，女性．1999年6月25日，左膝蓋にそう痒を伴う紅色小丘疹を生じた．同丘疹が左大腿へ蛇行しながら移動した後，再び左下腿へ下行し線状紅斑を形成した．7月6日に当科を受診し生検を行ったが虫体をとらえられず，さらに左下腿から左膝蓋を経由して左足背に移動して同部に5日間停滞した．その先端の浸潤の触れる紅色丘疹を7月25日に生検した．患者は1999年3月に生ホタルイカを摂食していた．病理組織像で真皮浅層に虫体断面がみられ，その形態学的特徴により旋尾線虫幼虫Type-Xと同定した．旋尾線虫幼虫の切片を用いた蛍光抗体間接法で抗体は陰性であったが，食道腺質部に加え筋組織に対しても陽性が認められた他の患者血清を用いての酵素抗体法(IgG)では陽性であった．また，ドロレス顎口虫抽出抗原を用いたmicroplate ELISA法にてIgG抗体の陽性所見を得た．