Japanese
English
症例報告
麻痺性イレウスおよび腹筋麻痺を合併した帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster with paralytic ileus and paralysis of abdominal muscles
堀田 隆之
1
,
狩野 葉子
2
,
塩原 哲夫
2
Takayuki HOTTA
1
,
Yoko KANO
2
,
Tetsuo SHIOHARA
2
1公立阿伎留病院皮膚科
2杏林大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Akiru Municipal General Hospital
2Depertment of Dermatology,Kyorin University School of Medicine
キーワード:
帯状疱疹
,
麻痺性イレウス
,
腹筋麻痺
Keyword:
帯状疱疹
,
麻痺性イレウス
,
腹筋麻痺
pp.1191-1194
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101485
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67歳,女性.左側腹部から背部(Th7~8領域)の皮疹で当科入院.初診時腹部単純X線所見で,小腸にniveauと小腸ガス像を認め,帯状疱疹と麻痺性イレウスの合併と診断した.経過中に軽度の腹筋麻痺を認めたが,アシクロビル投与にて,諸症状は改善した.また,皮疹の部位と麻痺性イレウスおよび運動麻痺の出現した部位は消化管神経支配領域や運動麻痺の好発部位に一致しており,帯状疱疹に伴った一連の反応であると考えられる.帯状疱疹による神経障害は通常,知覚神経障害が多いが,その障害が広範囲に及ぶ重症例では運動麻痺や自律神経障害を伴うことがある.抗ウイルス剤の早期投与は運動麻痺の予防的観点からも,有効であると思われる.
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