Japanese
English
症例報告
帯状疱疹後の腹筋麻痺の1例
A case of herpes zoster with palsy of abdominal muscles
曽我部 陽子
1
,
大西 一徳
1
,
石川 治
1
Yoko SOGABE
1
,
Kazunori OHNISHI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Gunma University School of Medicine
キーワード:
帯状疱疹
,
運動麻痺
,
腹筋麻痺
Keyword:
帯状疱疹
,
運動麻痺
,
腹筋麻痺
pp.1024-1026
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101381
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59歳,男性.帯状疱疹後の腹部の膨隆を主訴に皮膚科受診.初診時,右側腹部Th9-11領域に立位で著明となる腹部の膨隆を認め,腹筋の収縮は不可能であった.腹部CT上膨隆部の内・外腹斜筋,腹直筋は,左側と比較し収縮性を失い菲薄化していた.経過を通じて起き上がりや立位の困難はなく,便秘も認めなかった.帯状疱疹による腹筋麻痺と考え,筋力トレーニングとビタミンB12の内服を行い,症状は軽快した.帯状疱疹に合併する運動麻痺としては,顔面神経麻痺や上肢の運動麻痺が知られているが,腹筋麻痺も起こりうる.この場合,先行症状や随伴症状として便秘を認めることが多く,患者のQOLを著しく損なうことになる.腹部帯状疱疹の患者の診療にあたっては,皮疹軽快後も便秘の有無の聴取や注意深い腹部の視診および触診が大切であると考えた.
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