Japanese
English
特集 帯状疱疹
帯状疱疹後に生じた腹筋麻痺の1例
Abdominal paralysis after herpes zoster
安達 夏紀
1
,
林 周次郎
1
,
塚田 鏡寿
2
,
野老 翔雲
1
,
井川 健
1
Natsuki ADACHI
1
,
Shujiro HAYASHI
1
,
Kyoju TSUKADA
2
,
Shouun TOKORO
1
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学,皮膚科(主任:井川 健教授)
2新小山市民病院,皮膚科
キーワード:
帯状疱疹
,
腹筋麻痺
,
運動神経麻痺
Keyword:
帯状疱疹
,
腹筋麻痺
,
運動神経麻痺
pp.461-463
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003852
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
78歳,男性。約1カ月前に左腹部帯状疱疹を発症した。皮疹と疼痛は軽快したが,数日前より同部位の腹部膨隆が出現し,当科を受診した。左側腹部にしびれと小児頭大で軟らかい腹部膨隆を認め,CTで同部位の腹筋群の菲薄化がみられた。帯状疱疹による腹筋麻痺と診断し,メコバラミンを含む神経障害性疼痛に準じた投薬により約2カ月で症状は改善した。帯状疱疹は日常診療で遭遇する機会が多いが,腹筋麻痺についての報告は少ない。予後は比較的良好で自然治癒率も高いが,少数の難治例の報告や麻痺性イレウスの合併の報告もみられる。特に高齢者や基礎疾患のある腹部帯状疱疹では,留意する必要がある。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.