Japanese
English
症例報告
Leriche症候群の1例
A case of Leriche syndrome
原藤 玲
1
,
畑 康樹
1
,
林 忍
2
,
能勢 由紀子
3
Rei HARATOH
1
,
Yasuki HATA
1
,
Shinobu HAYASHI
2
,
Yukiko NOSE
3
1済生会神奈川県病院皮膚科
2済生会神奈川県病院外科
3能勢皮膚科クリニック
1Division of Dermatology,Saiseikai Kanagawa-ken Hospital
2Division of Surgery,Saiseikai Kanagawa-ken Hospital
3Nose Dermatological Clinic
キーワード:
Leriche症候群
,
閉塞性動脈硬化症
Keyword:
Leriche症候群
,
閉塞性動脈硬化症
pp.1188-1190
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101484
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45歳,男性.初診の約1か月前より左第5趾に圧痛が出現.受診時,左第5趾は紫紅色調を呈し,著明な圧痛を認め,足縁に網状皮斑を伴っていた.両側大腿動脈以下の拍動が触知不能で,血管撮影検査にて両側総腸骨動脈の完全閉塞像を認めた.詳細な問診により間歇性跛行,インポテンスの存在も明らかとなり,Leriche症候群と診断した.腹部大動脈-両側総腸骨動脈バイパス術後,第5趾の色調は正常化し,疼痛,間歇性跛行,インポテンスも軽快した.Leriche症候群は,腹部大動脈から総腸骨動脈分岐部の慢性閉塞により,皮膚潰瘍や壊死などの皮膚症状を生じることがあるが,皮膚科領域での報告は少ない.動脈硬化性疾患の増加に伴い,本症の患者が皮膚科を初診する機会も増加すると思われ,皮膚科医も本症の知識を持つ必要があると考えた.
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