Japanese
English
症例報告
所属リンパ節に転移巣を認め,固定型を呈したスポロトリコーシスの1例
A case of fixed type sporotrichosis associated with lymph node metastasis
熊谷 知子
1
,
南光 弘子
1
,
上田 周
1
,
池田 美智子
1
,
井上 泰
2
,
河崎 昌子
3
Tomoko KUMAGAI
1
,
Hiroko NANKO
1
,
Syu UEDA
1
,
Michiko IKEDA
1
,
Toru INOUE
2
,
Masako KAWASAKI
3
1東京厚生年金病院皮膚科
2東京厚生年金病院病理部
3金沢医科大学皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Tokyo Kosei-Nenkin Hospital
2Depertment of Pathology,Tokyo Kosei-Nenkin Hospital
3Depertment of Dermatology,Kanazawa Medical University
キーワード:
スポロトリコーシス
,
Sporothrix schenckii
,
ミトコンドリアDNA
,
糖尿病
Keyword:
スポロトリコーシス
,
Sporothrix schenckii
,
ミトコンドリアDNA
,
糖尿病
pp.1195-1198
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101486
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臨床的に固定型を呈したが,所属リンパ節に転移巣を認めたスポロトリコーシスの72歳女性例を報告した.既往歴にコントロール不良の糖尿病,肺の非定型抗酸菌症あり.初診1年前より,外傷の覚えなく,左手首に出血,痂皮を繰り返す紅色局面が出現した.初診時,左手首尺骨側に14×19mm大の紅色局面を認め,左腋窩にはリンパ節腫脹を認めた.スポロトリキン反応陽性,病理組織像は定型像で,皮膚,リンパ節ともに培養にてSporothrix schenckiiが同定された.イトラコナゾール100mg/日を約40日間内服し,その後再燃は認めていない.皮疹部,リンパ節より得た株に対して,ミトコンドリアDNAの分析を実施し,それぞれSporothrix schenckiiタイプ5に一致するタイプが得られたため,リンパ節病変が手首の皮膚病変からの転移巣であることが裏付けられた.
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