Japanese
English
症例報告
部分消退を認めたMerkel細胞癌の1例―本邦報告例の集積および検討
A case of Merkel cell carcinoma with partial spontaneous regression:Review of reported cases in Japan
福田 桂太郎
1
,
定平 知江子
1
,
舩越 建
1
,
高江 雄二郎
1
,
谷川 瑛子
1
,
石河 晃
1
,
深澤 奈都子
2
,
出来尾 格
2
Keitaro FUKUDA
1
,
Chieko SADAHIRA
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Natsuko FUKAZAWA
2
,
Itaru DEKIO
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科
2国立病院機構東京医療センター皮膚科
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,National Hospital Organization Tokyo Medical Center,Tokyo,Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
部分消退
,
電子顕微鏡
,
頰部腫瘍
Keyword:
Merkel細胞癌
,
部分消退
,
電子顕微鏡
,
頰部腫瘍
pp.857-861
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102431
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要約 86歳,男性.2007年9月より左頰部に紅色小結節が出現し,徐々に増大した.近医での皮膚生検にて,Merkel細胞癌を疑われたため,当科を紹介された.初診時,左頰部に28×24mmの弾性硬の常色結節があり,その中央に径11mmの紅色小結節を認めた.病理組織像では,真皮浅層から皮下組織にかけてN/C比の高い小円形細胞がシート状に増殖していた.腫瘍細胞はサイトケラチン20陽性で,電顕にて細胞質に有芯顆粒を認め,Merkel細胞癌と診断した.中央の小結節は生検2週後より縮小し,3週後の腫瘍切除時には消退していた.Merkel細胞癌の本邦報告例474例を検討したところ,部分消退および完全消退した症例は31例(6.5%)で,1例を除き,顔面の病変であった.なかでも頰部の病変では消退傾向を示す比率(148例中22例,14.9%)がほかの部位と比較して有意に高く(p<0.05),消退しやすいことが示唆された.
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