Japanese
English
症例報告
爪の破壊を伴い急速に成長した小児の色素線条の1例
A case of growing pigmented nail band with nail destruction
杉内 利栄子
1
,
高橋 和宏
1
,
望月 衛
2
,
加藤 泰三
3
Rieko SUGIUCHI
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Mamoru MOCHIZUKI
2
,
Taizo KATO
3
1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科
2いわき市立総合磐城共立病院病理科
3東北大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Iwaki Kyoritsu Hospital
2Division of Pathology, Iwaki, Kyoritsu Hospital
3Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
爪甲色素線条
,
悪性黒色腫
,
色素性母斑
Keyword:
爪甲色素線条
,
悪性黒色腫
,
色素性母斑
pp.239-241
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901792
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症例は7歳男児.1歳頃より右第V指爪に褐色色素線条が出現,次第にその幅が拡大した.初診半年前より爪の一部が破壊し,爪床の角質が肥厚してきた.初診時,右第V指後爪郭から連続して爪甲のほぼ4分の3の幅を占める黒褐色色素線条が認められ,後爪郭では青色調が透見される.爪遠位部約3分の1の爪甲が脱落し,爪床には角質増殖が見られる.爪母を含めて病変部を全摘した.組織学的には爪母から爪床の基底層にほぼ連続的に異型性のあるメラノサイトが増殖し,mela—noma in situに合致する所見であった.爪甲破壊部に悪性黒色腫を思わせる所見は認められなかった.
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