Japanese
English
症例報告
悪性黒色腫との鑑別を要した消退現象を伴う先天性色素性母斑
Regressing congenital pigmented nevus clinically suspected of malignant melanoma
安井 陽子
1
,
浅越 健治
2
,
岩月 啓氏
1
Yoko YASUI
1
,
Kenji ASAGOE
2
,
Keiji IWATSUKI
1
1岡山大学大学院医歯薬総合研究科皮膚科学分野
2独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科
1Department of Dermatology,Okayama University Graduate School of Medicine,Dentistry and Pharmaceutical Sciences,Okayama,Japan
2Department of Dermatology,National Hospital Organization Okayama Medical Center,Okayama,Japan
キーワード:
先天性色素性母斑
,
自然消退
,
ダーモスコピー
,
regression structures
Keyword:
先天性色素性母斑
,
自然消退
,
ダーモスコピー
,
regression structures
pp.327-330
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102862
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要約 23歳,男性.初診の約3か月前から,生来右大腿に存在した色素斑上に水疱を形成した.一度同部の色調が淡くなった後,再び濃くなるというエピソードがあり,悪性黒色腫の疑いで当科を受診した.右大腿外側に,周囲に淡い褐色斑を伴う,16×12mmの扁平隆起性,濃淡不整な黒褐色局面を認め,ダーモスコピー所見では,非定型色素ネットワークと青白色構造が主体であった.辺縁の一部に不規則線条もみられた.悪性黒色腫,先天性色素性母斑の自然消退などを鑑別に考えexcision biopsyを施行した.病理組織学的には,表皮基底層中心に異型性のないメラノサイトを認め,真皮では母斑細胞の胞巣を認める部と,母斑細胞を認めずメラノファージとリンパ球中心の単核球浸潤がみられる部が混在していた.メラノサイトに明らかな異型性はなく,消退傾向を示した先天性色素性母斑と診断した.切除後約3年半経過するが再発・転移の徴候はない.
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