Japanese
English
症例報告
生後1か月にて診断できた伴性遺伝性魚鱗癬の1例
A neonatal case of X-linked ichthyosis
安藤 典子
1
,
島田 眞路
1
Noriko ANDO
1
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,University of Yamanashi
キーワード:
伴性遺伝性魚鱗癬
,
新生児
,
ステロイドサルファターゼ活性
Keyword:
伴性遺伝性魚鱗癬
,
新生児
,
ステロイドサルファターゼ活性
pp.1090-1092
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100868
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生後1か月,男児.生後まもなくよりほぼ全身の皮膚が乾燥し,落屑がみられるようになった.家族内に同症状を呈する者はいない.初診時,顔面,掌蹠を除くほぼ全身の皮膚に鱗屑を認め,四肢伸側のみならず屈側にもみられた.特に頭部,側腹部は顕著であった.病理組織では,不全角化を伴わない角質肥厚と明瞭な顆粒層を認めた.患児のリンパ球ステロイドサルファターゼ(STS)は明らかに低値であったため,伴性遺伝性魚鱗癬と診断した.母のSTS活性値は,正常女性の基準値より低く,保因者と考えられた.伴性遺伝性魚鱗癬の確定診断,および保因者診断にSTS活性の測定が有用であった.
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