特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅲ 専門医への紹介が必要な皮膚疾患
遺伝性魚鱗癬
加藤 塁
1
,
須賀 康
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科
pp.284-290
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000990
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診療のポイント
■全身の皮膚に鱗屑,角質増殖,粗造などを呈する小児の患者をみた場合,遺伝性魚鱗癬を想起する.
■軽症の病型では,鱗屑,粗造がわずかにみられる程度であるが,アトピー性皮膚炎へ進展する可能性があるため,予防のための保湿療法やスキンケア指導が大切である.
■重症の病型では,紅斑・潮紅や水疱・びらん,角質増殖も顕著であるため,皮膚科専門医への紹介を行い,皮膚処置と今後の併診を依頼する.
■皮膚以外の眼科,耳鼻科,整形外科,神経症状や臓器症状を合併する魚鱗癬症候群では,該当する専門医・職種への紹介を行い,協力関係を構築する.
■近年では表皮細胞の角化機転の様々な段階で作用するタンパク,酵素の遺伝子変異による病型分類が提唱されており,専門医による遺伝子解析が確定診断に役立つ.
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