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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
3. 新しい検査法と診断法
MLPA法による色素細胞腫瘍の鑑別診断
Differential diagnosis of melanocytic tumors using MLPA
高田 実
1
Minoru TAKATA
1
1信州大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Shinshu University School of Medicine
キーワード:
メラノーマ
,
Spitz母斑
,
染色体異常
,
病理診断
,
分子診断
Keyword:
メラノーマ
,
Spitz母斑
,
染色体異常
,
病理診断
,
分子診断
pp.67-70
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100594
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要約 色素細胞腫瘍の病理組織診断は難しく,熟練した皮膚病理医の間でも診断のコンセンサスが得られないことがしばしばある.この問題を解決するためには,形態学という主観的判断基準を補う客観的な指標が必要である.最近開発されたmultiplex ligation-dependent probe amplification (MLPA)法は,ホルマリン固定・パラフィン包埋組織から抽出した少量のDNAを用いて1回の反応で約40種類の癌関連遺伝子のコピー数の増減を解析できる.この方法を用いて解析すると,大多数のメラノーマは多発性のコピー数異常を示すが,色素細胞母斑やSpitz母斑では異常はほとんど認められない.MLPA法は染色体の数的異常に関する客観的な情報を提供する比較的簡便な方法であり,色素細胞腫瘍の病理組織診断の補助診断法として有用と考えられる.
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