Japanese
English
症例報告
ウサギから感染したArthroderma benhamiaeによる体部白癬の母子例
Two cases of tinea corporis caused by Arthroderma benhamiae from a rabbit
角谷 廣幸
1
,
角谷 孝子
1
,
望月 隆
2
Hiroyuki KAKUTANI
1
,
Takako KAKUTANI
1
,
Takashi MOCHIZUKI
2
1あいおい皮膚科クリニック
2金沢医科大学環境皮膚科学部門
1Aioi Dermatological Clinic
2Department of Dermatology,Kanazawa Medical University
キーワード:
Arthroderma benhamiae
,
Trichophyton mentagrophytes
,
体部白癬
,
ウサギ
,
DNA診断
Keyword:
Arthroderma benhamiae
,
Trichophyton mentagrophytes
,
体部白癬
,
ウサギ
,
DNA診断
pp.1334-1337
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100369
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要約
41歳,女性と11歳,男児.ペットのウサギから感染したArthroderma benhamiaeによる体部白癬の母子例である.ウサギを飼い始めてから女性の左前腕,男児の下顎部と背部に落屑性紅斑が生じた.左前腕と下顎部の皮疹は痒みがなく,同部の落屑のKOH法では菌要素が密集してみられた.それに対して背部の皮疹は貨幣状湿疹様を呈し,軽度の痒みを伴い,菌要素は少なかった.ウサギでは鼻囲に脱毛斑がみられ,皮疹のないウサギの胴体部からヘアブラシ法で白癬菌が分離された.母子,ウサギから分離された菌は3例ともスライドカルチャーでTrichophyton mentagrophytesと同定した.DNA分析ではPCR-RFLP法でArthroderma benhamiaeに一致する泳動パターンを呈し,交配試験では母親分離株がAmericano-European race(-)株と同定された.母子ともにウサギから感染したと考えた.Arthroderma benhamiae感染による白癬は,多彩な臨床症状を呈するので注意が必要である.
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