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Rinsho Hifuka Volume 66, Issue 12 （November 2012）

臨床皮膚科 66巻12号（2012年11月発行）

Japanese English

症例報告

モルモットから感染したArthroderma benhamiaeによる体部白癬の姉妹例 Two cases of tinea corporis in sisters infected with Arthroderma benhamiae from pet guinea pigs 小林博人 ¹ , 竹田公信 ² , 安澤数史 ^2,3 , 望月隆 ^2,3 , 石崎宏 ³ Hiroto KOBAYASHI ¹ , Kiminobu TAKEDA ² , Kazushi ANZAWA ^2,3 , Takashi MOCHIZUKI ^2,3 , Hiroshi ISHIZAKI ³ ¹皮膚科小林医院 ²金沢医科大学皮膚科学講座 ³金沢医科大学総合医学研究所皮膚真菌学研究部門(ノバルティスファーマ) ¹Kobayashi Dermatological Clinic, Kanazawa, Japan ²Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Uchinada, Japan ³Division of Dermatomycology,(Novartis Pharma), Research Center for Medical Science, Kanazawa Medical University, Uchinada, Japan キーワード： Arthroderma benhamiae Americano-European race , 体部白癬 , モルモット , 交配試験 , ITS-RFLP法 Keyword: Arthroderma benhamiae Americano-European race , 体部白癬 , モルモット , 交配試験 , ITS-RFLP法 pp.993-998

発行日 2012年11月1日 Published Date 2012/11/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103464

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要約　症例1：27歳，女性．5年前からモルモットを飼育している．初診半年前に新たにモルモットを1匹購入した．そのモルモットに脱毛病巣が出現した．初診の3週前，左前腕に紅斑が生じて受診，ステロイド薬を外用していたところ，20日後の再診時には皮疹が拡大しており，直接鏡検で真菌陽性であったため，体部白癬と診断した．抗真菌薬の8週間の外用で治癒したが，2か月後，左上肢に紅斑の新生があり，抗真菌薬の内服を行った．症例2：25歳，女性(症例1の妹)．姉の受診の10か月後，右下顎と右下腿に落屑性紅斑を認めた．直接鏡検陽性で体部白癬と診断し，抗真菌薬の8週間の外用で治癒．症例1，2，モルモットから分離された菌は交配試験でArthroderma benhamiae Americano-Euro-pean race(－)株と同定した．ITS領域のPCR-RFLP法でもA. benhamiae Americano-European raceのタイプ株と同一のパターンを示した．本菌の家族内発生は時期を隔てて生じ，症例1の治療時に動物の治療が行われていれば症例2の発症は防げたかもしれない．